2019年7月4日に、スパイク・チュンソフトより、PS4とNintendo Switchにて、オープンワールド恐竜サバイバルアクションゲーム「PixARK」がリリースされます。
日本版は7月発売ですが、海外では約1ヶ月早くリリースされていましたので、私はリリース初日に北米版を購入してプレイしました。
約1ヶ月プレイし、
- 公式サーバーにてレベルキャップに到達し
- 最も危険なモンスターを高レベルで手なづけ
- ゲーム内で最も過酷な場所に拠点を構築
…という感じで、ある程度「やり込んだ」と言えるレベルまでプレイできたので、今回は日本版のリリースに先駆けてPixARKの評価レビューをまとめたいと思います。
https://team1986.jp/ps4-pixark-point/
PS4版PixARK(北米版)評価レビュー
MetacriticもSteamも評価は大荒れ
まず世間一般的な評価はどうなのかというと、1年近く早めにPCでリリースされたアーリーアクセス版も、北米コンソール版も、どこもかしこも「賛否両論」の大合唱です。
Metacriticに関してはメタスコアなしのユーザースコア2.1。
Steamに関しては文字通り見事に「賛否両論」の評価となっています。
じゃあ「なんで賛否両論なのか?」ということは、この記事の中である程度理解できると思いますので、引き続きお付き合いください。
PixARKの内容は「マインクラフト」&「ARK」
プレイした感じでは、PixARKの内容を簡潔に例えるなら「マインクラフト + ARK」です。
マインクラフトについてはあらためて説明する必要はないかもしれませんね。言わずと知れた「世界一売れているサンドボックスゲーム」です。
PixARKの世界はマインクラフトと同じくボクセルで形成されていて、自然環境も敵も建物も、ほぼ全てピクセルで表現されています。
そしてARK(ARK:Survival Evolved)は、恐竜を手なづけながらサバイバルするサンドボックス系のオープンワールドゲームです。
「PixARK」の基本的なゲーム部分は、本家ARKのものを受け継いでいます。ARKと同様、裸一貫から装備を整え、拠点を構築し、より強い恐竜を味方にしながら生き抜くことになります。
ゲームモードは全部で3種類
PvPのカオスモード、PvEのパイオニアリングモード、そして時間帯でPvPとPvEが切り替わるフューリーモードの3つが存在し、サーバーによって設定が変わります。
私はPvPをやる気力もないので、問答無用でPvEモードを選びました。
ちなみにサーバーの様子を見ると一番人気なのはカオスモードみたいです。
公式サーバーなのに定員には余裕がある
ARKもコナンアウトキャストも、基本的にゴールデンタイムはログイン戦争になりがちでしたが、PixARKはかなり余裕があります。
日本版がリリースされるとギュウギュウになるのかもしれませんが、これを見ると無理して自前のサーバーを用意する必要はないかもしれませんね。
本家ARKにあったローカルプレイでの距離制限は撤廃
ちなみに本家ARKには、ローカルプレイだとゲストがホストから一定距離以上離れることができない…という、本当にうんこみたいな仕様がありました。
PixARKではその制限が撤廃され、ローカルプレイでもゲストが距離制限なしにウロチョロできるようになりました。
公式サーバーに人が少ないのも、ひょっとすると皆ローカルで遊んでいるからなのかもしれません。
「ARK:Survival Evolved」の凶悪さは身を潜めた
PixARKのゲーム体験はARKのそれを踏襲しています。
で、ARKがどんなゲームなのかと言うと、私がこれまでプレイしてきたコンソールゲームの中で、最も廃人プレイを強要された地獄のゲームでした。
ARKがどれだけ凶悪だったのかと言うと、
- 2時間に1回のエラー落ちは当たり前
- 他人が建てた巨大拠点の情報処理でエラー落ち
- 肉食獣との戦闘中に謎のエラー落ち
- エラー落ちから復帰したら当たり前のように死んでた
- ペットも死んでた
- 恐竜1匹つかまえるのに3時間待機
- 産まれたての恐竜の世話のために朝5時起き
- テイム中の恐竜に麻酔を追加するために深夜3時に目覚ましをセット
- 丸一日かけて捕獲した恐竜が岩にハマって動かせず餓死
- 3日かけて構築した拠点とペットが恐竜1匹の進撃で壊滅
- ボタンの推し間違えで恐竜30匹が一箇所に集まりスタック
- サーバー全体が3時間前の状態にロールバック
- まごころ込めて育てた恐竜がログインしたら消えていた
- というかサーバーごと消えてた
…などなど。
私もARKを辞めてからしばらく経ちますが、↑を書きながら当時を思い出すだけで腹が立ってきますね。ゲームの仕様もバグの多さも異様なゲームだったと思います。
ただし、だからと言ってクソゲーなのかと言うと決してそういう訳ではありません。
10人近くのフレンドと協力して拠点をつくり、建築を担当したり、ときにはペットの捕獲に遠征したり、要請を受けて資材を運搬したり…
- それまで決して刃が立たなかった肉食獣を手なづけて敵を蹴散らす快感も
- ほんの些細なミスですべての苦労がパーになる緊張感も
- 仲間と協力しながら世界を開拓していく興奮も
…このゲームでなければ体験できなかったと思います。
不条理なバグや仕様はありましたが、ぶーぶー文句を言いながらも「面白い」と思いながら、熱中して「冒険」できるゲームだったと思います。
要は、本家ARKも「The・賛否両論」なゲームだった訳です。
PixARKがARKよりカジュアルな理由
さて、PixARKは本家ARKに比べると、さまざまな仕様がかなり緩和されています。
例を挙げると、
- テイムした恐竜をアイテム化してインベントリにしまえる(スタック対策ができる)
- どんな敵でも30分あればテイムできる
- 努力をパーにする破壊神(ギガノト・ティタノ・α種など)がいない
- 恐竜ナシでもある程度強い(魔法要素)
- ピッケル・斧などのツールが劣化しない
- ショートカットアイテムは死んでもドロップしない
といった感じ。
レベルキャップは80になり、野良の恐竜の最高レベルは150だったものが120に下がりました。
本家にあったバグはさておき、とにかく時間がかかっていた仕様が緩和されたので、カジュアルに楽しむことが可能になりました。
とくに、テイムした恐竜をアイテムにして持ち運べるのは本当に便利です。ブロントサウルスのような大型恐竜はアイテム化できないんですが、T-REXまでの大きさならアイテムにして持ち運ぶことができます。
PixARKは恐竜要素5割・ファンタジー要素5割
PixARKは「オープンワールド恐竜サバイバルアクションゲーム」というジャンルをアピってますが、恐竜要素があるのは半分くらい。
残り5割は架空のモンスターばかりです。
例えばゲーム内で一番危険なエリア「Doom Lands」なんかは、恐竜が1匹もいません。
サイクロプスやミノタウロスのような怪物が常にどつきあっていて、ちょっとした恐竜でトコトコ参入しようもんなら秒で爆発四散することになります。(恐竜は死ぬ時になぜか砕け散る)
恐竜よりもファンタージ生物のほうが優れてるんですが、通常の恐竜は麻酔弓で眠らせて味方にすることが可能な一方、グリフィンやドラゴンのような架空の生物はマジカルスリーピーアロー(魔法の弓)でしか眠らせることができません。
素材も通常の木材ではなく、特殊な魔法の木材やクリスタルが必要です。
「幅ができた」と捉えるか「めんどくさくなった」と捉えるかはその人次第ですが、私の感想はシンプルに「めんどくせー」でした。一種類でいいじゃんね。
建築も単なる木材・石材を使用した建築だけでなく、魔法の木材や溶岩なんかを使用した建築ができるので、建築の楽しさは増えているのかもしれませんね。
地中を掘れるメリットとデメリット
ボクセル型式になったことで、地中を掘り進めることもできるようになりました。
このおかげで建築用の土地は無限に存在しますし、男のロマンである「地下基地」なんかもつくることができます。
ただこのゲーム、腹が立つレベルで判定がガバいです。
- 真上を向いてドリルを使ったのに足元まで掘られる
- ペットで鉱石を採取したいのに足元まで掘られる
- 土地をならしたいのに狙い通りに掘れずボコボコになる
といった感じで、意図せずに地中が掘れてしまうために無駄な修復作業が発生することになります。
採取・採掘の判定が厳しすぎてペットが産廃扱い
判定がガバい関係で、採取系のペットは一部をのぞいてすべて産廃扱いです。
本家ARKでは採掘面で超有用だったアンキロサウルスは、本作では自分の足元ばかり掘り進めて地中から出られなくなり、ただ餌を食ってうんこするだけの存在になりました。
木材やベリーを採取できるトリケラトプスやイノシシなんかは、1マスでも判定がズレると採取できません。
正直、無理にペットを使おうとすると、位置の調整やらでストレスがヤバイです。採取系は足が遅い恐竜ばかりだし、ハゲます。(使えるのはブロントサウルスくらい)
結局自分でピッケル振ってるほうが早いですし、希望に沿った建築が可能。更に精神衛生上良いです。ここもう少し何とかならなかったんですかね。
コンテンツ不足は否めない
ARKと比較するとカジュアルな仕様で初心者にもオススメだと言えますが、PixARKのコンテンツはARKに遠く及びません。
例えばオベリスクは、現時点でただの置物扱いです。
本家ARKではボスを召喚したりサーバーを移動したりできたんですが、残念ながらPixARKでは実装されていません。一応今後実装予定のようですが…
(一度決めてしまうとアプデが来るまで別サーバーにキャラ移動ができないので、サーバーは良く選びましょう)
ブリーディング要素も実装されておらず交配も不可。特殊なアーティファクトがある洞窟なんかもありませんし、フィールドの固有ボスを倒すメリットも薄いです。
砂漠や雪原に探索できる遺跡がいくつかありますが、
- 罠が理不尽過ぎる(強い装備でも一発死亡)
- 報酬がショボい
- まず探索が楽しくない
…という感じで、冒険心にストレスが勝ります。
ゴーストドラゴンやT-REX、ロックゴーレムなんかを手懐けることができたら、あとは建築以外やることがないです。
おそらく今後アップデートで追加されると思いますので、そこに期待ですね。
UIはどうしてこうなった
PixARKで一番うんこなポイントはどこかと言うと、コンソール版のUIです。アイテムの選択がめちゃめちゃうんこです。糞の塔です。
これに関しては実際にプレイしないとわかりにくいかもしれませんが、狙った場所にカーソルを合わせるのがめちゃめちゃ難しいんですよね。
PixarkのUIの何がうんこなのかを具体的に説明。
・メニューを開くとカーソルが常に左上
・「全部取る」や「クラフトする」などの重要なボタンはだいたい右下
・右下に行くまでに20回くらい
カーソル移動させる必要がある・狙ったマスに合わせようとすると度々カーソルが異次元に飛ぶ#pixark pic.twitter.com/LL2IkPw5Oi
— セプテンバー荒井@GAME1986 (@araithegamer) July 1, 2019
ショートカットボタンなんかも設定されていませんし、アイテムを分割するボタンなんかもありません。
操作のひとつひとつがストレスだらけで、とにかく「どうしてこうなったの?」というUIになっています。
しばらくやってればイヤでも慣れるんですが、UIのうんこっぷりは本当に腹が立ちます。「よくもまあこれでリリースしようと思ったな」、と。
ただでさえ使いづらかったARKのUIが神に見えるレベルです。
SnailGamesの皆様におかれましては、どうかアップデートでなんとかしてください。お願いします。
それでもやっぱり楽しいPixARK
とかなんとか言ってますが、やっぱりPixARKは楽しいです。マジで楽しい。
今はアップデートで解消されましたが、リリース時はバグだらけでした。
- あるオブジェクトに触れたらエラー落ちする
- アイテム画面で何もできなくなる
- 装備の修理ができない
- テイム中の恐竜のインベントリから食料が消える
- とにかく落ちる
…という感じだったんですが、それでも時間を忘れてプレイしまくってました。
しまいには、あまりにも熱中してプレイしすぎたせいで、細かいバグを見つけてはその対策方法すらも自力で見つけて、快適なプレイができてしまったレベルです。
バグがあっても楽しいのって、やっぱりARKって、ゲームのコンセプトがめちゃめちゃ優れてるんですよね。
- 好きな場所で拠点をつくり
- 憧れの恐竜を乗り回し
- サーバー内の他のプレイヤーと交流したり
- 未開のマップを埋めたり
- より危険なエリアに足を踏み入れたり
…といった、ロマンに溢れたゲーム体験はやっぱりこのジャンルでないと実現できないなーと感じました。
結論:ARKが楽しめたならPixARKは買い
PixARKは、ARKのゲームシステムをそのままに、世界観やゲームの仕様をカジュアルにしたゲームです。
世間一般の評価は大枠でPixARKは「賛否両論」ですが、自分の中に「賛」と「否」が混在する珍しいタイプのゲームだとも言えます。
私個人の考えですが、賛否両論あるゲームほど、好きな人は文句垂れながらもとことんハマる側面があると思っています。
前身である「ARK:Survival Evolved」を楽しむことができた人は、きっとPixARKも楽しむことができるはずです。
本家ARKよりもテイム時間は短く、建築の制約も少なく、サーバーも安定しています。
ただし、本家ARKほどのやりこみ要素はありません。
良くも悪くも「カジュアルにARK的な世界観を楽しみたい」と感じているのであれば、きっとPixARKは楽しむことができるはずです。
興味がある人はぜひ。
PixARKすでに持ってる人向けの攻略情報はコチラ。
https://team1986.jp/pixark-tips-leveling/
最近プレイしたサンドボックスゲームではDayZもおすすめです。こちらもどうぞ。
コメント
コメント一覧 (2件)
エサを食ってうんこするだけの存在ってフレーズにとてもツボってしまいました
うんこという表現がどれだけクソかわかりやすく、童心に戻ったような気分で読めて理解しやすく読みやすかったです