一部のゲーマーの間で話題になっているThe Forestというゲームがあります。
息子と旅行中に飛行機がトラブルを起こし、人をお食べになられる部族の方々が暮らしておられる島(というか森)に飛行機が不時着。
そこでサバイバル生活しながら、行方不明になった息子を探索する…という話でございます。
先に結論から述べますと、私このゲームがホントに好きで、寝る間も惜しんでプレイしてます。しかもオンラインではなくシングルで。
クラフト&サバイバル系のゲームはけっこうたくさんやってきましたが、The Forestには他のゲームにはない確かな魅力があります。
The Forestは、まとめると
いきなり黄金伝説
〜食人島0円生活〜です。
— GAME1986編集長@セプテンバー荒井 (@araithegamer) November 9, 2018
ただ、もちろん良いところばかりではないです。ですので、それも含めてこのゲームの感想・レビューをお伝えできればと思っています。
(もちろんネタバレなしですのでご安心を)
The Forest(PS4・北米版)の仕様について
どんなゲーム?
The Forestのゲームジャンルは「サバイバルシミュレーション」です。
簡単に言えば、「ARK」とか「7 Days to Die」とか「マインクラフト」みたいな、クラフト要素のあるサバイバルゲームってことですね。
もともとはPCでリリースされていた本作ですが、11月にはれて北米PSストアでリリースされました。
PS4版はPCよりも操作できるオプション項目が少ないです。
このあたりの仕様のせいで、PC版とPS4版はかなりゲーム体験が違ってくるんですが、詳しくはこちらの記事で紹介しています。
https://team1986.jp/forest-pc-ps4/
The Forest PS4・北米版のレビュー
The ForestのここがGOOD
ストーリーテリングが秀逸
「食人族の島でサバイバル」というコンセプトが注目されるばかりで、ストーリーはあまり注目されていないような気がしますが、実はこのストーリーが無視できないレベルで魅力的です。
- 父親(主人公)が息子と2人で飛行機で旅行中
- 飛行機が突然謎の事故で墜落
- 朦朧とした意識の中、息子が全身真っ赤な人間に連れ去られるのを目にする
- 翌朝意識を取り戻し、島で息子を探す旅がスタート
といった感じで、我が子を持つ父親であれば感情移入しまくりの切り出しです。
ただし、ストーリーが重厚…という訳ではありません。
闇の組織や美人の女スパイなんて出てきませんし、ド派手なスペクタルアクションとかロマンスなんてのもはなく、基本的に主人公は1人で、誰と絡むこともありません。
父親が行方不明になった息子を探し出す。ただそれだけです。
ですが、探索する中で拾う資料や写真、新聞の切り抜きや他の子供の行方不明者情報。
そして、探索する中で発見する、さまざまな施設やオブジェ。こういったものから、
- この世界で一体何が起こったのか
- 息子に何が起こったのか
- 全身真っ赤な人間は誰だったのか
といったことを、誰でも容易に紐解けるような構成になっています。
7 Days to DieやARKのように、ストーリーがあって無いようなクラフトサバイバルゲームに慣れていたので、これは本当に新鮮でした。
とくに、クリアに向けてのラスト2時間はドキドキが半端ではなく、ラスト30分にいたってはストーリー的にも衝撃の連続で、かなりのインパクトがありました。
詳細は、ぜひ自分の目で確かめてもらいたいと思います。
初心者にやさしい建築設定
クラフト系のゲームは、クラフトできるアイテムが多く、材料も多いため何かとUIが煩雑になりがちな側面があります。
一方、The Forestは、タッチパッドで開けるサバイバルブックからつくりたいものを選ぶことができるので、簡単にクラフトができてシンプルで直感的な操作もしやすいです。
- まず作りたい建築物を選ぶ
- 建築物を設定したい場所を指定する
- 建築予定場所に必要な資材を運び込む
といった手順で建築することになります。
まず設置場所や向きなどの全体像を設計してからクラフトに入ることができる…というのは、なかなか新鮮だなと思いました。
7 Days to DieやARKのように「土台をつくって建築していったけどイメージと違った」みたいなことが起こりにくいのは素敵だなと思います。
ちなみに、極限まで突き詰めるとこんなバケモノ建築も可能みたいです。
The Forest、どうすればこんな化け物みたいな建物たてれるんだろう。 pic.twitter.com/1yn4hhGGTR
— GAME1986編集長@セプテンバー荒井 (@araithegamer) November 18, 2018
敵AIの行動が本当にすごい。マジですごい。
原住民の食人族の方々ですが、彼らのAIが以上にすぐれています。
下記、AIの行動をある程度まとめたものです。
- 島をだいたい3人1組(内リーダーが1人)のチームで巡回している
- 昼夜で巡回のパターンが変わる
- 見つかると近寄って観察したり威嚇したりしてくる
- 近づくと後ずさりする
- こっちが後ずさりすると近づいてくる
- 油断したころに攻撃を仕掛けてくる
- 攻撃してこないこともある
- 戦闘で死にそうになると逃げたり怯えたりする
- 3人のうち1人でも取り逃がすと、部族にとって敵とみなされる
- 定期的に拠点まで敵が派遣されて様子を見にくるようになる
- 同じ場所にとどまって倒し続けると、どんどん強い個体が送られてくる
- 敵リーダーを倒すと残りは逃げる
- 逃げないこともある
- 逃げた場合、最寄りの巡回組と一緒に報復をしかけてくる
- 報復してこないこともある
- 女性の個体は逃げやすい
- 敵リーダーだけ残して他を倒すと、崇拝されることがある
- 拠点からしばらく離れて戻ってくると、拠点のそばに死体でつくられたオブジェ(トーテム)が配置されていることがある(部族からの警告)
- 島内のトーテムにはそれぞれ明確な意味がある
例:攻撃目標・巡回ルート・プレイヤーや味方の警告など - 逆に自分で死体のオブジェをクラフトして拠点近くに配置すると、部族から危険とみなされて遠ざける効果がある
この敵の挙動や行動の特殊さが、The Forestにおける一番の魅力だと言っても過言ではないと思っています。
丸太小屋たてるためにせっせか木材切り倒してたら、突然寄生がきこえて、振り向いたら目の前に部族の方がいらっしゃる、しかも何もせずにこっちを見てる、みたいなことが度々あります。
思いっきり心臓に悪いんですが、こういった緊張感がこのゲームの魅力に他ならないとも思います。
ちなみに、部族の方々との戦闘も、一筋縄ではいきません。ガードを交えつつヒットアンドアウェイで着実に相手の命を刈り取る必要があり、このあたりのメリハリも魅力のひとつかなと思っています。
The ForestのここがBAD
慣れるまでが地獄
ゲームのシステムに慣れるまでは、
- 部族の方々にフクロにされて餌になる
- 高所から落下して死亡
- 洞窟で迷って餓死
- スタミナ管理ができずに殺される
- 海でサメに食われて死亡
といった感じで、本当に何回も死ぬことになると思います。
特に序盤は食料の確保が大変で、私の場合は部族の方々の腕や足が貴重な食料源でした。
※序盤の話は詳しくはこちらの記事にも書いてます。
https://team1986.jp/theforest-ps4-japan/
初回プレイだと、慣れないままギリギリ生きているという状態で日数だけが経過することになるはずです。
にもかかわらず、ゲームのシステム上日数が経過すると敵はどんどん強くなります。
8日目になると足が8本くらい生えた訳のわからないバケモノや、腹に割れ目があるキモイマンみたいなのが、ひっきりなしに拠点を攻めてくるようになります。
こうなると苦労するので、最初からやり直したほうが良いです。
最初は「何この無理ゲー」と思うかもしれませんが、実はしっかりと装備とアイテムを整え、対処法を覚えておけば、どんな敵とエンカウントしてもほぼ無傷で倒すことは可能なんですよね。
ですが、そうなるまでは大変で、初見プレイヤーの心を折りかねないかもしれません。
- 現代斧
- カタナ
- チェーンソー
心が折れそうな人は、このあたりを確保するとゲームがめちゃめちゃ楽になるので参考にしてください。
丸太
The Forestを「クラフト」という軸で評価するときに避けて通れないのが、「丸太集め」です。
ぶっちゃけ、クラフトをはじめるとプレイ時間の9割はだいたい丸太を切ることになります。
- ログハウスを作るために丸太を切る
- ベンチを作るために丸太を切る
- 地盤をつくるために丸太を切る
ホントこんな感じです。
1本の木を切り倒すために、斧を10回前後打ち込む必要があります。
丸太は1本の木から4本から5本しか手に入らず、加えて1度に持ち運べる丸太は2本まで。(2本でも結構すごいと思うけど)
ログハウスをつくるのに役100本の丸太が必要なので、
- 約250回斧を振りかざして
- 25本の木を切り倒し
- 建築予定地まで50往復する
といった作業が必要になります。
25本も木を切り倒そうとなると、だいたい半径100mくらいを駆け回って木を探すことになります。
真面目にやろうと思ったら、だいたい2時間くらいかかるかもしれません。
要は、丸太集めがマジでシャレにならないくらいめんどくさい訳です。
最近のアプデで追加されたタワーなんて、つくるためには丸太300本くらい必要ですからね。
7 Days to DieやARKのようなクラフト系ゲームですと、標準でこの労力をコントロールできるオプションがあるんですが、このゲームにはありません。
一応難易度を選択することもできるんですけど、変わるのは自分の柔らかさと敵の硬さだけという誰得仕様です。
一応チェーンソーと木材運び用のソリを使えば多少は楽になるんですが、それでも丸太集めがもうちょっと楽になると良いのになーと思います。
(マルチで友達とやってるとそれはそれで楽しいんですけどね)
洞窟の闇
The Forestをプレイ済みの人に「ゲームの一番のBADポイントを教えて」と言われたら、おそらくほとんどの人が洞窟の暗さを挙げるのではないでしょうか。
ゲームをクリアするためには洞窟を探索する必要があるんですが、この洞窟がとにかく闇が深く、方向感覚を狂わせられるため、心底イライラさせられます。
ちなみにPCバージョンでは洞窟の明るさを調整できるオプションがあるんですが、PS4版にはありません。
詳しくはこちらの記事でも書きました。
https://team1986.jp/forest-pc-ps4/
ただ、暗いからこそ緊張感を持ってプレイできる、という側面もあるとは思います。いつどこから襲ってくるかわからない怖さがあって、それはそれで面白いとは思います。
が、せめてオプションなどでこちらで調整させて欲しかったな…と思っています。
建築に融通がきかない
GOODポイントで建築が親切設計と書きましたが、その一方で、建築に融通がきかないという側面もあります。
7DtDやARKと比較すると、クラフトできる建築物やアイテムが少ないんですよね。
また、建築にあたってのこまかい位置調整がめちゃめちゃ難しいです。
7DtDやマイクラのように世界がボックスで構築されている訳ではなく、自由配置になっています。
また、ARKやコナンアウトキャストのように、既存の建築物と新規の建築物を簡単にジョイントすることができません。(建築物同士がスッと吸い付くようなエフェクトがないってことです。)
場合によっては、簡単な階段すらイメージ通りにつくるのがめちゃめちゃ大変だったりします。
クラフトに全身全霊をかけたい…というタイプの人は、かなり大変な思いをするかもしれませんね。これも慣れなのかもしれませんが…
まとめ
GOODポイントとBADポイントをそれぞれまとめましたが、ぶっちゃけGOODポイントがBADポイントを軽く凌駕する出来になっているのかなと思っています。
とくに、敵AIの優秀さは目を見張るものがあります。
私もクラフトサバイバル系のゲームが大好きで軒並みプレイしていますが、オンラインマルチでなくシングルプレイでここまでやり込んでいるのはこのゲームだけです。
今は、投槍で鹿やイノシシを狩り、部族の方々は罠にかけて嵌め殺し、ブルーベリーを育てたり人骨でつくった椅子をつくったり、人の手と頭でつくったハングライダーで空の旅を楽しんだりしています。
息子を探すことを完全に放棄して、まもなく90日が経過しようとしているころです。
北米ストアでダウンロード購入することでしか手に入りませんが、本当におもしろいのでたくさんの方にプレイしてもらいたいなーと思っています。
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